人気ブログランキング | 話題のタグを見る

写真と空と自転車と

生き物と入れ替わったもの。 ー 淀川、城北わんど。

神の留守

生き物と入れ替わったもの。 ー 淀川、城北わんど。_c0015099_217481.jpg
生き物と入れ替わったもの。 ー 淀川、城北わんど。_c0015099_15133100.jpg

鰻ポタの帰り道、いつものコースである城北公園のなかを通って淀川に出た。

国土交通省が淀川の左岸にある城北わんどで、わんどをせき止めて水を汲み出し、なにやら大規模な工事をしていた。国の天然記念物のイタセンパラが棲息しているかどうかの調査が行われているそうだ。

ここは大阪市のど真ん中になるのだが、こんなに都市に近いところを流れているのに、ゆたかな自然を包み込み、ゆったり流れる淀川の大きな力を感じる。人工的な構築物のうえにわんどができ、多くの生物が住みやすい環境になっている。わんどは淀川の生態系のおおきな特徴であり、わんどは天然記念物であるイタセンパラの数少ない生息地として知られている。しかし、今春5月の調査では、稚魚の数はとうとう0匹になった、天然記念物であるイタセンパラの絶滅が危惧されているのだ。

採取された生き物が水槽で公開されていた。ニゴイ、オイカワ、ゲンゴロウブナ、ヨシノボリ、などの魚が元気に泳ぎ、ウナギ、カメ、アメリカザリガニなども入っていたが、そこにはイタセンパラは一匹もいなかった。

展示パネルを読んでみると国土交通省の見解は、稚魚を食べてしまう外来種のブラックバスが殖えていること、ボタンウキクサが繁殖して水質が悪化していることが原因だとしている。国土交通省は外来種のブラックバス、ブルーギルを駆除して、在来種を保護するという。外来種のボタンウキクサも除去するという。

古くからここで釣りをしている老人は語っていた。下流に堰を造ったことやわんどの端にあった中州を取り除いたことなど、国が淀川の風景をかえてしまった、かつてはわんどが水没するくらいに水位が上がっていたのだ、もうもどらんけどな。



人も自然の一部。ブラックバスもボタンウキクサも人が持ち込んだもの。在来種も外来種も同じ自然の一部。皆、同じ自然の中で生きる生物なのだ・・・。
だれがなにを基準にして決めるのか・・・。
イタセンパラを中心に捉えれば、この処置も致し方のないことだろう。それでもイタセンパラが絶滅しないという保証はないけれど・・・。
人を守るために堰を造ることも、本当に必要なことだったのだろうか・・・。

すぐ横のわんどではバス釣やヘラブナ釣りをを楽しんでいる人がいる。

身近な大自然、淀川のことだから、自然保護について少し考えてみようと思ったのだけれど、生態系のことは複雑すぎて簡単に答えがでることではない。淀川はきれいになりつつあると思っていたのだが、実はこんなところで、環境の変化が起きていたのだ。

自然の一部である人のなす行為が自然に対する好意になるのか悪意になるのか、100年後にわんどはどうなっているかは、神のみぞ知る世界なのでしょう。


生き物と入れ替わったもの。 ー 淀川、城北わんど。_c0015099_152316.jpg
生き物と入れ替わったもの。 ー 淀川、城北わんど。_c0015099_152237.jpg
生き物と入れ替わったもの。 ー 淀川、城北わんど。_c0015099_1525373.jpg

■「城北わんど群」3千平方メートルで水位下げる実験
■ぼちぼちいきましょ − ボタンウキクサ

061123

knos3
by knos3 | 2006-11-26 08:45 | 自然