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面接の日 今井町

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面接の日。帰路に今井町を散策。町の中に入ると景色が一変して古き良き時代の街並みが並んでいる。よく保存されていて見た感じでは街並みの70%ほどが古い民家として残っている。今西家、豊田家、いかにも豪商らしい見事な町家です。今西家は民家というより環濠集落の堀に囲まれて西口の城塞といった役目を感じます。時間が遅かったので内部の見学は次回に・・・・。通りには八百屋があったり、床屋の渦巻きのサインが小さく出ている町家もある。文化財の町だけではなく生きている町なのだ。

真新しい漆喰の壁、焼き痕のない杉板、染めた連子格子なども目につくが、古びた昔のつくりではないので違和感はあるが、今の時代の技術であっても、きちんと修復されていれば10年風雨にさらされれば古色になっていくわけです。かつては栄えた町でも文化財的価値だけでは生きていけないわけで、時代とともに生きていくための知恵が必要なのでしょう。街並みを維持するのは大変なことなので、100年後はどうなっているか・・・・それは100年後に生きている人の価値感によって決まる問題ですから、今出来ることを確実にやっていくことでしょう・・・・未来に託して。

夕方子供を連れた父親がビニール袋と火ばさみを持って散歩しながら目についたゴミを拾っている。これが未来に伝える大切なことなんだろう。玄関先に組長や当番の札が見えるようにかけてあるのも、役割分担が町のなかで明快になっていることを表している。寂れて朽ちていく多くの集落のことを考えれば江戸時代からつづいて、今でも生きている町なのだ。

豊田家の隣に紙半豊田記念館という蔵の姿をした資料館がある。なんでも5代目、6代目が残した江戸時代からの4000点のお宝を公開展示している、個人の資料館。中を見せていただくと、当時の紙屋半三郎が収集した道具のなかに、興味深いモノが多く展示されている。1759年代(宝暦)の江戸の古地図。家紋が描かれているところが大名屋敷。尾張、紀州、水戸は別格で大きい。地図を見ると時間を忘れて見入ってしまう。江戸城本丸の間取り図もあるではないか・・・・。

他にもいいものが多く、借金のかたとしての大名道具の中に見たこともない形の立派な脇息がある。螺鈿や蒔絵の仕上げはともかく、体に沿った微妙な曲線、脚も曲線で作られていて、材は曲げではなく削り出しか・・・・。古伊万里、古九谷、黄瀬戸、古織部、伊賀焼など普段なかなか見ることのできないモノに触れることが出来る、12代当主が付き添って解説してくれた。古伊万里や貘を描いた夢枕もは日常で使っていたそうだ。時を忘れて見入ってしまい、閉館の時間を超えて見せていただきました。ありがとうございます。

展示された生活の品々からは、今の時代の便利とは違った豊かな生活が見えてくる。 自分の知識にない世界観は、こういうところで日々学習・・・・。

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160218 旧暦1月11日・月齢9.5・大安、いい日でありますように。

knos3


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by knos3 | 2016-02-23 21:00 | 造る