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飛騨高山に再現されたフィンユールの家 ー フィンユール・アート・ミュージアム

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木工の町 高山へ、今回の目的の1つであるフィンユール・アート・ミュージアム。

フィンユールの家具との出会いは、20年前、ふと立ち寄った天満のちいさな家具屋に置いてあったイージーチェア NO.53。キタニが再現した初期の頃のものでしたが、座った時の印象は、フワッと柔らかいわけではなくカチッとした作りなのに、体をやさしく包み込むような座面の感触が記憶に残っている。ラーセン、フィンユールとも今ほど知られていない頃のこと・・・・。


デンマークの家具デザイナー、フィンユールの家を細かい所まで忠実に再現したものだそうだ。シンプルなレイアウトですが、段差と動線に特徴がある。日常生活と仕事を明快に分けた動線がある。玄関横に仕事部屋があり、製図室を暖かくするために居間の暖炉の裏に配置されていたり、大きな造り付けの机の表面には、図面を描く時に鉛筆のタッチがよくなるように白い皮が貼ってある。仕事場を大切にしていることがうかがえる。


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日常生活と作業をする空間をスキップしたフロアによって分けている。境界となる壁をガラスにすることで解放感と一体感をうまく作り出しながら、空間に立体的な変化を与えている。

ところどころに、光の取り入れ方の工夫がある。トイレの丸い穴はガラスを通して光と風を取り入れる。風呂は外部に面していないので、上部を擦りガラスにして、間接的に光を取りれている。昼間に暗がりが出来ないように、細かい配慮が成されている。

うすく、かろやかに、エッジのきいたシンプルなデザインが特徴なんですが。案内のおねえさんは何度も浮遊感という言葉で説明していました。

フィンユール自邸の前に見た吉島家。フィンユールのアイデアがここにあり、と感じる。ブルーノ・タウトの桂離宮などの本から学んだそうで、書棚にも多くの日本関連の本が並んでいる。日本の影響を受けていることを感じます。多用されている引き戸は西洋にはないもの、当然ながら引き手もありません。他にも壁にい草が貼ってあったりと、どこか日本の感覚を感じます。だから、和室にも似合う椅子なんでしょう。


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日本の合理性、引き戸、引手、光の取り入れ方、格子、間仕切り方、障子、襖、御簾・・・・今は無き日本の伝統・・・・。ドア枠に小さな面材を使っているんですが、ここだけに西洋の伝統意匠が見える。壁と床のダブル巾木の納まりも珍しい。床と壁をそれぞれ別にして納めやすいからなのか、床を後で張り替えるためなのでしょうか・・・・。

家の造りもおもしろいのですが、やっぱり家具や小物がいい・・・・。おねえさんが案内してくれるので、予備知識なしでいっても愉しめます。いいもの見せてもらいました。twtrf2さんありがとう。

20140823

knos3

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フィンユールの家具では一番好きなイージーチェア NO.53
by knos3 | 2014-08-28 11:30 | 造る