手斧の跡
熊本城飯田丸五階櫓、ちょうど4/1日の開館初日に見ることが出来ました。壁もまだ湿り気が残っていて、しっとりしたいい色合いでした。
手斧がけした削りたてのみずみずしい杉の木肌。無垢材ならではの味のある暖かい表情がでています。手斧がけをした柱は存在感が違います。今では平鉋かプレーナーで強引に削ってしまいますから、木肌も素っ気無い表情です。
梁は見事な手斧仕上げの欅の木肌、直径50cmはあったと思います。
櫓の角にある石落とし、実際はここから鉄砲を撃つ場所です。戦いのために作られた、この簡素な空間に、下から差し込むやわらかな光が、土壁をほのかに照らして、やさしい表情の空間をつくり出しています。
木と土と紙と光で構成された、和の内部空間には、心地よいと感じるものがすべて調和した姿で存在しているように思えます。
20050410
knos3