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大阪の師匠

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お世話になっている大阪の木工所で一日奉公。学校で仕込んだカンナを持って行って見てもらった。砥ぎはいいが下端の削りが多過ぎる、と師匠の言葉。定盤にサンドペーパーをあてて、さっと面を出し、当て木をしたサンドペーパーでサッと削るだけでいい。もう一人の若い師匠は台がカタカタするのが嫌で、真っ平らの状態がいいと言う。この日のために台直しカンナで削り過ぎた・・・・。

梅雨時に台が暴れまくっていた時は下端の削りを多くしていたが、台が乾燥して落ち着いてくればまた直さないといけません、特に最後に台尻が落ちた時カタンと台頭が下がる角度が大きくなるので刃が浮いてしまうわけです。

今日は奉仕と言っても、今の私で出来ることは整理整頓、清掃くらいなので、作業場の隅から清掃を始める。師匠の作業を見ながら、作業の合間に疑問に思ったことは質問すれば的確な答えが帰ってくる。一流の職人の仕事場は正確で手が早い、躊躇することなく手が動き、無駄な動きが無い。整理整頓が作業の流れに組み込まれていて、ひとつの作業が終わるごとにさっと道具を片付けていく。

品物は某有名アパレルブランドの木工事。無垢材と違うのは素材に囚われることなく自由なモノ造りが可能なこと。3.000x1.500xt50の大きな板でも作ることが出来る。細かい部分をみると4mmベニヤの両面に2.5mmのMDF、木端はテープ、仕上げはウレタン塗装、ミラーを貼る面は面落ち、仕上げによって素材を変え何枚も貼り合わせて自由自在に形を造っていく。 いい木がもう手に入らない時代ですから、時代が求める現代の技法なのだ。その代わりに、仕上げの方法が重要です。

写真は師匠から頂いた50年前の東源次というカンナで、地金が柔らかくてよく切れるいいカンナだそうです。他にも貴重な面取りカンナや内丸カンナをいくつかいただきました、ありがとうございます。使いこなせるかどうか分かりませんが、大切に使わせてもらいます。

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Knos3

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by knos3 | 2016-08-16 17:30 | 道具